2002 12/1

静音化について

ファンについて
CPUファン、電源ファン、換気ファン、VGAのファン・・・いまやPCの冷却には欠かせない電動ファンですが、それはそのまま騒音の発生源となっています。ここでは、その騒音の主な発生源であるファンについてちょっと検証してみようと思います。

雑多なファン
余ってる電動ファンの一部を引っ張り出してきました。今現在パソコン用として使われているファンはDC12V駆動で大きさは4cm角〜12cm角程度までありますが、一番使われる機会が多いのは8p角のもの(画像左側)でしょう。その次が6p角(画像右上)のものになると思います。
一般に電動ファンは
・同回転数ならばサイズの大きい方が風量を稼げるので有利
・・・これはなんとなく分かりますね。要するにデカイ方がたくさんの風を送れるということです。

・厚いほうが風量を稼げる
・・・ファンの厚さが大きいほうが有利だということですね

・サイズが小さいほうが騒音が大きくなる
・・・小さいサイズのファンは風切音が「ふぃぃぃぃん」と高音になるので非常に耳につきやすいです

・・・などど言われてます。その為静音化の為にはなるべくでかくなるべく厚いファン低回転で使うことになります。

回転数について
回転数の少ないファンにするには大まかに分けて次のようなものがあります。
1.最初から回転数の低いファンを買う
2.駆動電圧を下げる
3.回転数を制御するパーツを使う
このうち2と3は仕組み的にはほとんど同じことなので大体2通りという事になります。

回転数の低いファン
パソコンショップに行くといろんなファンが売っており、パッケージに回転数とか音圧レベルとか「標準」とか「静音」とか言う表記があります。この最後の項目「静音」という表記は別に統一規格があるわけではなくあいまいな表現ですが、静音廃人でない限りどれを買っも大して変わらないんじゃないかと思います(実際静かでなくても責任は取りませんけど)。まあ、メーカーで選ぶならsanyo、Panaflo、silencer、Nidecあたりが比較的静かだといわれます。
そのほか低回転であろうという目安としてファン表面に書いてある消費電流の大きさから、大まかな回転数が分かります。

回転数1600rpmの静音ファン
消費電力は0.06A
回転数3000rpmの標準ファン
消費電力は0.14A
おおむね消費電力が0.06〜0.08辺りであれば回転数1600rpmくらいの電動ファンになり、1600rpmであれば完全には無音ではないが、静音廃人でない限りほとんど気にならないようなレベルの騒音に抑えられます。よく投売りの電動ファンなんかは透明なビニール袋に入れられたり、そのまま箱に放り込まれているだけなので詳細なスペックが分からないことが良くありますが、消費電力を見ることでおおまかな回転数などは把握ができるようになります。

回転数の低いファンを導入するときの注意点として、それを取り付けたときにシステムが正常に動作するかどうかちゃんとチェックしておく必要がある、ということがあります。つまり電源ファンを低回転の物に変えたとき、廃熱はちゃんと追いついているかとか、CPUファンを換装したときはコアの温度はどのくらいになってるかとかをちゃんと見ておくことが大事です。んで、もし廃熱が追いついていないようだったらもう一度別なファンに換装しなければなりません。つまり買ってきた静音ファンでシステムが正常に動作するかどうかは実際動かさないと分かりませんので、どの程度の回転数(風量)のファンを買ってくるか、その辺の見極めが重要になります。

駆動電圧を下げる(低電圧化)
電動ファンは通常DC12Vで駆動しています。これを5V駆動させ回転数を下げるというものです。やり方としては、ただ単に12Vの線と5Vの線を入れ替えて付けるだけなので(大変参考になります→:静かなPC)、そんなに難しくはありません。また12V-5Vの電位差をとって7V駆動というのもありますが、12Vから5V側へ電流が流れ込み、5V側の電圧が上昇→つながっていたドライブ類とか電源ユニットがご臨終チーン・・・ということにもなりかねないのであまりお勧めは出来ません。まあ、実際に運用されている方の意見をまとめると7V駆動でも大して問題はないようですが。

まあ、5V化なり7V化なりで駆動電圧を下げた場合、自起動できないファンが結構あるというに注意してください。つまり始動トルクが足らずファンが回ってくれないんです。もしそれが電源ファンだったら電源死・・・だけでなく発火の可能性もあるわけです。低電圧のファンを電源ユニットに使う際は細心の注意を払えというのもよくわかります、というか、使わないほうがいいでしょう。また、ファンは回っていなくても常に5Vなり7Vなりの電流が流れていますので、そのままにしておくと最悪ファンがぶっ壊れる羽目になります。この辺の危険性をしっかり認知し、改造は自己責任で行うようにしましょう。

回転数を制御する
上記のように、低電圧化は静音化には大きな効果がありますが、反面信頼性という点で大きな問題が残ります。そこで登場するのがファンを制御するもの、例えばファンコントローラなんかがあります。改造する手間が省ける上に、電源投入時には最大電流で回るので始動トルクが足らなくなるということもありません。また、普段は回転数を落としておき、外出時にエンコードをさせておくときなんかは最大回転数でまわしておく・・・と、いろいろ使い勝手も良いです。またspeedfanなど回転数を制御できるソフトウェアを使うのも手です。
ただし、高速回転のファンを低速にした場合、カラカラ・・・と音がなる場合があります。この場合はあきらめて別なファンを買ってきましょう。

軸受けについて
今主に出回っている電動ファンの軸受けにはボールベアリング流体軸受の2種類があります。
静音という観点から見れば流体軸受のほうが優れているのですが、電動ファンの主な騒音の発生源はファンの風切音ですので、電動ファンに関してはどちらも大して変わらないといえます。
まあ、極めるのならば流体軸受ですが。

※ボールベアリング・・・モーターの回転軸と軸受の間の空間に、ベアリング球と潤滑油を充填したもの。経年劣化により「キーン」という高音を発することがある。

※流体軸受・・・モーターの回転軸の軸受部に油や空気などの流体を使用したモーターのこと。非接触構造なので回転精度や音、耐久性の点で優れる。

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